同じような内部構造の器官が、まったく異なる機能を実現している例(相同器官)も明らかになった。脊椎動物の四肢は、相同器官の好例である。たとえば脊椎動物の二つの種の前足を比較したとき、基本的に共通の構造が明確に認められ、その構造がそれらの生物種が分岐する前の共通の祖先に存在して、そこからその両者のような外見的違いが派生したことを強く示唆するのである[要出典]とされる。具体的に見れば、われわれヒトの前足は手と呼ばれ、全体に長く、指は長くてよく曲がり、ものを掴める。イヌの前足は指が短く、全体に丸まり、肉球がある。クジラのそれは見かけ上は指がなく、どう見ても魚のヒレにしか見えない。ところが、それぞれを骨格で比較すれば、肩の骨からつながった骨の配置は、指の形や数に違いがあるとしても、全体としては共通している。それを解釈する方法として、共通の祖先がいて、そこから生活の違いに応じて適応し、その使い方の違いによって変化していったのだと見る訳である。なお、このように共通祖先がさまざまな環境への対応として、多様な姿に変化した現象を適応放散と呼ぶ。
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生物は単独の生殖細胞から発生の過程を通じて成体の体になる。特に動物の体は複雑で、その発生の過程もそれなりに複雑である。それに関する研究からも進化の証拠とされる事例が多い。
たとえば発生の過程では、より高次の分類群の形質がまず現れ、次第に低次の群の特徴が形成される。たとえばヒトの発生ではまず脊索が形成され、四肢が形成され、その後にほ乳類に共通する形質が出現する。尾がなくなるのはその後である。その結果として、脊椎動物の各群の発生を見ると、遡れば次第に似た形質の胚が見られ、縁が遠くなるほど、より遡らなければ似た形が見られない。
また、発生の早い段階に、それ以降には決してみられない構造が出現する例がある。ヒトでもごく早い時期に鰓裂が出来て、その後すぐなくなる。また、成体の腎臓が形成される前に、より体の前方に前腎が形成される。前腎は無顎類では生涯機能するが、それ以外の類では成体では消滅する。
このようなことを総合すると、下等な群から高等な群が生まれてきた歴史があり、発生の過程はこれをたどるように行われる、という推察が成立する。これはヘッケルの反復説が有名であるが、それに先行する比較発生学の歴史の中では、メッケルやフォン・ベーアなど複数の学者がほぼこれに近い内容について言及している。