多機能ペン、マルチペンとも呼ばれる。先駆けは1977年に発売された「シャーボ」であり、「右へ回すとシャープペンシル、左へ回すとボールペン。1本で2本分」のキャッチコピーで話題となった。その後有用性が認められ、各社から次々と多機能ペンが登場するきっかけとなった。仕組みとしてはツイスト式、レバー式、振り子式があり、低価格帯製品では製造コストが低く操作も簡単なレバー式、高級モデルでは振り子式やツイスト式が主流となっている。
振り子式シャープペンシル [編集]
振るだけで芯が出てくる機能のついたシャープペンシル。PILOTのドクターグリップや、2020(フレフレ)シリーズ、ゼブラのフリシャオートマチック、三菱鉛筆のユニ アルファゲル シャカシャカなどがある。内部に重量のある金属パイプが仕込まれており、ペンを振ることによってこれを上下させ金属パイプの反動で繰り出し機構を作動させる。金属パイプの分、そうでない種類より重く握りが太目のものが多い。芯を出すのに持ち替える必要がない為、安定したリズムでの筆記が可能。一般のものと比較して価格に大差がないため日本国内では広く普及している。内部の錘は、金属の板を巻いた形状の物や、針金をコイルスプリング状に巻いたものなどが多い。元々は比較的高価であったが、最近は普及したことにより100円ショップなどでも売られている。
残芯が少ないシャープペンシル [編集]
環境に配慮し、残芯を少なくしたシャープペンシル。元来、PILOTのクラッチポイントはこの機構であったが、日の目を見ることは少なかったようである。1990年代後半にプラチナのゼロシンがヒットし、その後各社から同じ機構を持つ製品が発売された。当初は1ミリまで使いきれる製品が多かったが、現在はコストダウンなどにより3.5mm程度までに抑えた製品が多い。ただし、残芯3.5mmの製品は100円で購入可能である。
人間工学に基づいたシャープペンシル [編集]
人間工学に基づき開発されたシャープペンシルのこと。太軸にして持ちやすくしたり、重心バランスを最適化したりグリップを柔らかくしたりして疲れにくいように設計されている。PILOTの「ドクターグリップ」やユニ「ユニ アルファゲル」、ZEBRA「ニュースパイラルシリーズ」やぺんてる「エルゴノミックス」などがある。関節症等を患っている人を始め汎用的な筆記用具として中高生に好まれる傾向がある。
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書きながら芯が出るシャープペン [編集]
ゼブラの「フリシャオートマチック」がそのひとつ。書きながら芯が出るためノンストップで筆記ができ、使うときにもノックする必要がないため一部の人に人気がある。
芯が回転するシャープペンシル [編集]
三菱鉛筆の「クルトガ」が該当。仕組みとしては、芯が紙にあたるたびにシャープメカについたギアが回転し、芯を均等に減らす仕組み。偏減りなどを無くす事が目的で、開発した三菱鉛筆は「学生をターゲットとした」と語っている。
学校での利用 [編集]
シャープペンシルは1970年代後半から学校でも使用されるようになった。当初は「落ちた芯によって教室が汚れる」「筆圧が弱くなる」「鉛筆に慣れることが必要」「高価な筆記具もあり紛失・盗難などのトラブル防止」「鉛筆の方が手にフィットするため、脳に刺激を与える割合が、シャープペンシルより大きいから漢字などを覚えやすい」「分解が可能なため、遊び道具となって授業に集中できなくなる」などといった理屈から、小学校では禁止されることが多かった(一説には商用電源のコンセントにシャープペンシルの芯を差込み、感電する恐れがあるからとも言われる)。
しかし当時の児童にとって、新しい文具は好奇心の対象であり、また芯を削る必要がないシャープペンシルは便利かつ魅力的な文具であった為、合理的な説明もなしに便利な筆記用具が禁止されたことに対し大きな反発があった。その後、明らかな不利益がなかったことやシャープペンシル特有のメリットもあり(折れない、削りかすがでない、持ちやすい等)、安価なシャープペンシルも多く存在したことから、中学校以降の使用は徐々に解禁されていった。
ただ、現在でも小学校では「しっかりとした筆圧で字を書くためには、シャープペンシルがふさわしい筆記用具ではない」という理由でシャープペンシルを禁止する学校も多い。上越教育大学書写書道研究室の押木秀樹助教授の説によると、先端の形状が変化する筆記用具では、筆記用具の軸を微妙に回転させる動作が必要で、そのことにより正しく字を書くことが出来るという。そして、鉛筆を用いた方が、回転運動により筆記面を作るという意識ができやすいという[3]。現在小学校でシャープペンシルを禁止する根拠はこの説が有力な理由になっている。一方で、禁止に対抗してか外装が鉛筆と同様で尾部の消しゴムをキャップとした鉛筆風シャープペンシルも存在する。
受験現場などでは、現在も構造上(カンニングメモを隠せるなど)の問題がある為、使用が禁止される場合が多い。また、芯の構成物質が鉛筆のものと異なるため、マークシートを読み取る機械が正常に読み取れないことがあり、大学入試センター試験などでもシャープペンシルによるマークシートの記入を禁止している(センター試験においては平成17(2005)年度から平成20(2008)年度まで、メモや計算のための使用すら許されなかった)。
近年では安価であり名入れなども簡単にできることから、卒業記念品や学校創立○○周年記念品として生徒に配られたりするなどといったことが見られる。